2008年11月01日
スペイン巡礼の旅26 水事情 飲み水編
歩き始めて20日目、今日も荒地の続く平地を歩かなければなりません。
ただ歩いてるのに読者の皆さんを付き合わせても退屈だと思うので、歩きながらお水のお話をしましょう。
毎日スペインの人達と歩いていると、一番後ろから来る私を、誰かが待っていてくれることがよくありました。
私がヘロヘロになって到着するとまず最初に自分の水筒やペットボトルを差し出して、“Qieres agua?”(キエレス アグア)水飲まない?と気軽にすすめてくれます。日本人だったら、他人の水筒からラッパ飲みなんてしたくないという人もいるかもしれませんが、少なくとも私が知り合ったスペイン人はそんなこと気にしていないみたいで、それより、疲れてる人には即水分補給させてあげたいと考えているようでした。みんなにそうやって分け合うので、水筒はすぐ空になります。すると今度は「ねぇ、ちょっと水ちょうだい」って人に分けてもらったりもしていました。
で、その水の調達方法は・・・
以外や、ずっと水道の水でした。
私が巡礼中水を買ったのはバルセロナでの一回だけ。
歩き始めて2日目、山の上で水の残りが少なくなった時、その頃一緒にいたパコに、水はアルベルゲで買えるのか尋ねたら、
「いいこと教えてあげる、キッチンに行って水道をひねる、それだけでおいしい水は飲み放題だよ」
といわれました。
スペイン北部は南部のアンダルシアやバルセロナと違って、水には恵まれているので、水道水や湧き水など各村にある水飲み場の水は飲料に適しているらしいのです。パコにそう教えられてから、私はついに巡礼中一度もボトル詰めの水を買いませんでした。
水が出るところでは、必ず新鮮な水に入れ替える。それだけ心がけていました。
バルでも、水筒を店の人に渡して、「普通の水を入れてくれ」と言えば、タダで入れてくれます。
だからって、日本人の皆さんに同じようにすることをすすめたりはしません。心配な方はミネラルウォーターを買ったほうがいいかもしれませんね。
さて、午前中の休憩場所までは一番後ろを歩いていた私ですが、バルでカフェ・コン・レチェを飲んでからは俄然元気になり、再び歩き始めると、前を歩く仲間を順々に追い越して、いつの間にか一番前を鼻歌うたいながら歩いていました。
その時歌ってたのは、ビートルズ「ヘイ・ジュード」
♪Hey Jude
(この動画すごくいいので、時間がある方はぜひご覧下さいね)
♪ダーダダ ダダダダ~ダダダダ~~ ヘーイジュ~~……♪
と、ずっと繰り返して歌っているうちに、目的地のマンシージャ・デ・ラス・ムラスに到着!
私のすぐ後に来たマリアノと、町の入り口でみんなの到着を待って、みんな揃ってアルベルゲに入りました。
昼食の後、アルベルゲの洗濯場でピエールと並んで洗濯をしました。ピエールは英語が苦手、私はフランス語さっぱりわからないので、二人の会話は一応スペイン語です。ピエールのフランス語なまりのスペイン語はとっても優雅にかわいらしく聞こえます。フランソワーズ・モレシャンの日本語みたいな感じ(古!)
「フランス人でスペイン語しゃべる人ってめずらしくない?」
「そうなんだ、スペインに来ても、フランス語で通すやつ等は多いね、僕はそういうのは好きじゃない、せっかくだからスペイン語で話せば、こうして君やマリアノ達とも友達になれるからね」
「私はパリだけ行ったことがあるよ。そうだ、うちの母がね、もう10年以上ラジオでフランス語の勉強してるの。映画俳優のジェラール・フィリップが大好きなんだよね」
そんなことをおしゃべりしながら、洗ったパンツや靴下を並んで干しました。
夕方になってルイシ、ピエール、マリアノ、ホアンと一緒に散歩に出かけました。
バルでビールやワインで乾杯したあと街のはずれまで行くと、大きな壁のような城壁の崩れたようなものがありました。
ルイシが、「この壁の事をlas mulas ラスムラスって呼ぶの、この町の名前の由来よ」などと先生っぽく教えてくれました。


夜、アルベルゲのパティオで簡単な食事をしていると、大柄な白人男性に日本語で話しかけられました。
「ハジメマシテ、ワタシハ、カトウ ト、イイマス。オーストラリアジンデス。アナタノナマエハナンデスカ?」
「スエルテです、よろしく。ねぇ、どうしてそんなに日本語上手なの?」
「ワタシハ、タカマツニ、2年イマシタ」
カトウと名乗る彼は本名はカートさん、面白い日本語をしゃべる楽しい人で、私も思いがけなく母国語でペラペラおしゃべりすることができました。
ほとんどの人が和やかに過ごしているアルベルゲのパティオでしたが、具合が悪くなって介抱されている人や、足が腫れてもう歩けないのでここでリタイヤすると話している人もいて、これは自分も気をつけなければと、気を引き締めると同時に、これまで無事に来られた事に感謝したい気持ちになりました。
-つづく-
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前回のお話
スペイン巡礼の旅25
スペイン巡礼の旅をはじめから読む
スペイン巡礼の旅1
ただ歩いてるのに読者の皆さんを付き合わせても退屈だと思うので、歩きながらお水のお話をしましょう。
毎日スペインの人達と歩いていると、一番後ろから来る私を、誰かが待っていてくれることがよくありました。
私がヘロヘロになって到着するとまず最初に自分の水筒やペットボトルを差し出して、“Qieres agua?”(キエレス アグア)水飲まない?と気軽にすすめてくれます。日本人だったら、他人の水筒からラッパ飲みなんてしたくないという人もいるかもしれませんが、少なくとも私が知り合ったスペイン人はそんなこと気にしていないみたいで、それより、疲れてる人には即水分補給させてあげたいと考えているようでした。みんなにそうやって分け合うので、水筒はすぐ空になります。すると今度は「ねぇ、ちょっと水ちょうだい」って人に分けてもらったりもしていました。
で、その水の調達方法は・・・
以外や、ずっと水道の水でした。
私が巡礼中水を買ったのはバルセロナでの一回だけ。
歩き始めて2日目、山の上で水の残りが少なくなった時、その頃一緒にいたパコに、水はアルベルゲで買えるのか尋ねたら、
「いいこと教えてあげる、キッチンに行って水道をひねる、それだけでおいしい水は飲み放題だよ」
といわれました。
スペイン北部は南部のアンダルシアやバルセロナと違って、水には恵まれているので、水道水や湧き水など各村にある水飲み場の水は飲料に適しているらしいのです。パコにそう教えられてから、私はついに巡礼中一度もボトル詰めの水を買いませんでした。
水が出るところでは、必ず新鮮な水に入れ替える。それだけ心がけていました。
バルでも、水筒を店の人に渡して、「普通の水を入れてくれ」と言えば、タダで入れてくれます。
だからって、日本人の皆さんに同じようにすることをすすめたりはしません。心配な方はミネラルウォーターを買ったほうがいいかもしれませんね。
さて、午前中の休憩場所までは一番後ろを歩いていた私ですが、バルでカフェ・コン・レチェを飲んでからは俄然元気になり、再び歩き始めると、前を歩く仲間を順々に追い越して、いつの間にか一番前を鼻歌うたいながら歩いていました。
その時歌ってたのは、ビートルズ「ヘイ・ジュード」
♪Hey Jude
(この動画すごくいいので、時間がある方はぜひご覧下さいね)
♪ダーダダ ダダダダ~ダダダダ~~ ヘーイジュ~~……♪
と、ずっと繰り返して歌っているうちに、目的地のマンシージャ・デ・ラス・ムラスに到着!
私のすぐ後に来たマリアノと、町の入り口でみんなの到着を待って、みんな揃ってアルベルゲに入りました。
昼食の後、アルベルゲの洗濯場でピエールと並んで洗濯をしました。ピエールは英語が苦手、私はフランス語さっぱりわからないので、二人の会話は一応スペイン語です。ピエールのフランス語なまりのスペイン語はとっても優雅にかわいらしく聞こえます。フランソワーズ・モレシャンの日本語みたいな感じ(古!)
「フランス人でスペイン語しゃべる人ってめずらしくない?」
「そうなんだ、スペインに来ても、フランス語で通すやつ等は多いね、僕はそういうのは好きじゃない、せっかくだからスペイン語で話せば、こうして君やマリアノ達とも友達になれるからね」
「私はパリだけ行ったことがあるよ。そうだ、うちの母がね、もう10年以上ラジオでフランス語の勉強してるの。映画俳優のジェラール・フィリップが大好きなんだよね」
そんなことをおしゃべりしながら、洗ったパンツや靴下を並んで干しました。
夕方になってルイシ、ピエール、マリアノ、ホアンと一緒に散歩に出かけました。
バルでビールやワインで乾杯したあと街のはずれまで行くと、大きな壁のような城壁の崩れたようなものがありました。
ルイシが、「この壁の事をlas mulas ラスムラスって呼ぶの、この町の名前の由来よ」などと先生っぽく教えてくれました。


夜、アルベルゲのパティオで簡単な食事をしていると、大柄な白人男性に日本語で話しかけられました。
「ハジメマシテ、ワタシハ、カトウ ト、イイマス。オーストラリアジンデス。アナタノナマエハナンデスカ?」
「スエルテです、よろしく。ねぇ、どうしてそんなに日本語上手なの?」
「ワタシハ、タカマツニ、2年イマシタ」
カトウと名乗る彼は本名はカートさん、面白い日本語をしゃべる楽しい人で、私も思いがけなく母国語でペラペラおしゃべりすることができました。
ほとんどの人が和やかに過ごしているアルベルゲのパティオでしたが、具合が悪くなって介抱されている人や、足が腫れてもう歩けないのでここでリタイヤすると話している人もいて、これは自分も気をつけなければと、気を引き締めると同時に、これまで無事に来られた事に感謝したい気持ちになりました。
-つづく-
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前回のお話
スペイン巡礼の旅25
スペイン巡礼の旅をはじめから読む
スペイン巡礼の旅1
スペイン巡礼の旅34 峠まで
スペイン巡礼の旅33 ありがたい習慣
スペイン巡礼の旅32 ロヘリオとルイス
スペイン巡礼の旅31 最もキツイ一日
スペイン巡礼の旅30 リタイアの危機
スペイン巡礼の旅29 初夏の吹雪の正体は…
スペイン巡礼の旅33 ありがたい習慣
スペイン巡礼の旅32 ロヘリオとルイス
スペイン巡礼の旅31 最もキツイ一日
スペイン巡礼の旅30 リタイアの危機
スペイン巡礼の旅29 初夏の吹雪の正体は…
Posted by スエルテ at 18:41│Comments(2)
│スペイン巡礼の旅
この記事へのコメント
フランス人は他国でも母国語で通すっていううわさは本当っぽいですね。母国語を愛するあまり、なんですよね。
水道水が飲める話、カミーノを目指す身には参考になりました。
(いつ行くかはまったく未定ですが・・^^)
水道水が飲める話、カミーノを目指す身には参考になりました。
(いつ行くかはまったく未定ですが・・^^)
Posted by hiro at 2008年11月02日 00:02
フランス人でも英語が得意な人や若い人はそうでもないかもしれませんが、多くの人はあまりスペイン語であいさつ(Holaみたいな簡単なことも)もしなかったように思います。
広場の水飲み場の水はおいしいですよ(^^)
広場の水飲み場の水はおいしいですよ(^^)
Posted by スエルテ
at 2008年11月02日 14:51
