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2008年05月20日

スペイン巡礼の旅6 夢のような道

私達が挑戦しているこの巡礼の道のことを、スペインでは エル・カミーノ・デ・サンティアゴと呼んでいます。
会話の中では簡単にカミーノと言います。カミーノとは”道”という意味があるのです。

朝食後、ホセさんに別れを告げてアルベルゲを出発。今朝は南米チリ出身のフランシスコも一緒です。
彼は、このカミーノ巡礼の前から、ずいぶん長くひとり旅を続けているそうです。
30歳くらいでとてもハンサムな人です。
パコとフランシスコが話しながら歩く後を私は道端に咲いているお花を眺めながらついて行きます。今日もいい天気。

いい気分で一時間くらい来た頃、あれっ、黄色い矢印→が見当たりません。道を間違えたようです。しばらく戻って分かれ道を見つけました。右に曲がる細い道の方がカミーノだとは、三人とも気づきませんでした。

こんなふうに、何でもない所で迷ったり間違ったりする事を学びました。一人のときは特に気をつけなければ。



スペイン巡礼の旅6 夢のような道



行く手に広がる麦畑の中を、一本の道がずっと続きます。
真っ青な空を見上げれば、いつも白い飛行機雲を残して旅客機が何機も飛んでいます。

しばらくすると、橋の無い小川がありました。何人かの巡礼者が順番に川を渡っています。
みんな、丈夫なトレッキングシューズだからそのまま渡れるけれど、私だけジョギングシューズなのでどうしたものかと考えていると、パコが、いい方法があるといって私のザックをまず川の向こうに運び、戻ってくると今度は私を負ぶって渡してくれました。

渡り終わってから、「あっ、写真撮らなきゃね!」ともう一回川に戻ってパチリ。とても愉快でした。



スペイン巡礼の旅6 夢のような道




1時を過ぎるとさすがに疲れてきます。静かな草原の木の下で簡単な昼食を取り、シェスタにしましょう。

このままずっとお昼寝していたい誘惑に打ち勝って歩き出すと、いつの間にかフランシスコもパコもずっと先に行ってしまい、私はひとりで歩きます。

山道に入ると両側からツゲの木が覆いかぶさり、日差しが、ツゲの丸い小さな葉っぱに反射して、きらきら輝く光のトンネルのようでした。
ここは、天国に向かう道なんじゃないかと思えました。
訳もなく涙が出てきて、いろいろな人の顔が思い出されます。今頃、日本で誰かが私のことを心配してくれているのかもしれません。

そんな山道の中でも、時々ぱあーっと視界が開けて、一面のお花畑が現れるのです。
そこは正しく楽園でした。
パコがそんな花畑の中に寝そべって、私を待っていました。しばらくこの中に入ってお花になってみましょう!



スペイン巡礼の旅6 夢のような道



夕方、今日の目的地Ruesta(ルウェスタ)に到着。今日は30㎞進みました。
もうすっかりおなじみの顔が揃っています。

今夜もみんなでワインで乾杯!



         -つづく-


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Posted by スエルテ at 19:11│Comments(0)スペイン巡礼の旅
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