もと猫雑貨Paraisoの楽園日記

2004年5月10日、アムステルダムで飛行機を乗り換えて、バルセロナ入りしたのは午後の3時をまわった頃でした。
国際空港の、独特な期待と幸せに満ちた雰囲気が大好きです。
長いフライトの疲れなんてなんのその、スペインにまた戻って来られた喜びで、
「帰って来たよ～！ワォッ!!」って叫びたい気分です。

両替を済ませて地図をもらい、リュックを背負って、電車で街に出ます。
３0分程でバルセロナ一番の繁華街であるプラサ・デ・カタルーニャへ。広場に出ると、そこにいられるだけで幸せに感じました。


さて、どうしよう、少し考えてから公衆電話の受話器を取り、メモしてきた番号を押してみました。

｢オラ！｣
これは、下宿のおかみさんかしら？

｢オラ！メ・ジャモ・スエルテ、ベンゴ・デ・ハポン…｣(こんにちは、スエルテです、日本から来ました…)

すると

「あれ？スエルテさん！？なんで、いるの！？」

電話に出たのはサヨちゃん本人だったのです。
そして、大声でゲラゲラ笑っています。
そりゃそうだ、日本から何の連絡もせず、いきなり来て変なスペイン語で電話するんだもん。あきれたと言うか、おもしろ過ぎって言うか、明るい笑い声にそんな気持ちがこもっていました。

「これから会おうよ！」と私

「いいけど、2時間くらい待ってくれる？」

そして、今夜の宿は彼女が知ってるオスタル(安宿)を予約してくれることに。
10分程してもう一度電話で連絡取り合い、待ち合わせまでに荷物をオスタルに置きに行くことにしました。

国際的な観光都市バルセロナ。街は世界中からやって来た観光客はもちろん、地元の学生やビジネスマン、いろんな人で賑わっています。ランブラス通りを、オスタルの番地を持ってぶらぶらします。途中で、客待ちで立っているカフェのおじちゃんに道を尋ねました。


｢オラ！｣と言って、番地を見せると、
「オーラ・グワッパ！ケ・タル？」とおじちゃん。

グワッパだって～～～！フフフと喜ぶ私。

スペイン語で、グワッパとは美人とか、べっぴんさんという意味なのです。
（ちなみに、美男、イケメンはグワッポです）

（こんにちは、きれいなお嬢さん、ごきげんいかが？）
まっ、こんな風に聞こえたわけです。

もちろん、こういうおじさんは、いついかなる時でも誰にでも言っているのは百も承知しています。
だけどだけど、日本で生活していると、30年に一度だってそんなこと言われないのに、ココ、スペインでは、入国して1時間で美女扱いなのよね―！
お世辞ってわかってたって、ちょっと地面から浮いちゃうのは私だけじゃないはず。

そんなわけで、ニマニマしながらおじちゃんの道案内を聞きながらも、ほとんど理解せず、でもいい気分で、「ムッチャ・グラシアス！　アディオス」（ほんと、ありがとね、さよなら）と言って指差された方に歩き出し、なんとか宿に着きました。




ガウディ　聖家族教会（サグラダ・ファミリア）


☆☆☆

以前、スペイン語の教室でほんの短い間いっしょだったことがあるサヨちゃんは、この時スペイン語で経済を勉強しているバリバリの大学生になっていました。スゴイ、スゴイ！
彼女に、今回カミーノ（サンティエゴまでの巡礼の道の事）を歩きに来たと話すと、サヨちゃんもスゴイ、スゴイ！を連発していました。カミーノを歩くなんてどこかイカれてると、スペイン人同士ではよく言うそうです。

そうなんだ、私、スペイン人はみんなやるのかと思ってたよ。


彼女の行きつけのバルで、赤ワインとタパス(スペインの酒のつまみいろいろ)で、よく飲み、よく食べ、話して笑ったなぁ。
深夜12時過ぎに、サヨちゃんが私をホテルまで歩いて送ってくれました。
「がんばってね！！」と言って、彼女はまた歩いて下宿に戻って行きました。


考えてみると、日本を出てから、すでに２７時間、全然寝ていない私。
これはバルセロナ・ハイか。
さあ、明日からいよいよ本格的に動き出します。寝坊しないようにしなきゃね。

-つづく-

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